慰めに来た猫
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1.[りば] 「慰めに来た猫」 2年前の夏の話。 その日塾の迎えの車でオトンがゆずを轢いてしまったと言った。 ゆずは家で飼っていた猫で、猫とは思えないほど人なつっこい頭の良いネコだった。 ゆずが死んだ?? 1時間半前に触ったばっかなのに?? 突然の死を理解するのは難しかった。 家に着いたが、家に入る気にもならず、家の近くの石段に座ってぼーっと夜空の星を眺めてた。 段々と死の意味が分かり、悲しくなって涙が流れた。星を眺めて泣いた。 すると、視界の隅っこにフワフワした物が見えた。 まるでゆずが近づいてくるときにゆらゆらさせてたシッポみたい… ハッとして地面を見ると何もいない。 そうだよな…ゆずはいない。 そう思って、空を見上げると、やっぱり視界の端っこにシッポが見えて。 しかもゆっくり近づいてくる。 全然恐怖は感じなかった。 シッポは私の足元まで来て、いつもみたいに体をスリ寄せてきた。 確かに温かかった。 同時に、スッと悲しみが消えた。 ゆずも消えた。 涙はもう出なかった。 ゆずは轢死する2日前からいつにも増して甘えてて、一瞬一瞬を大事に生きてる感じだった。 今から思えば、死ぬのが分かってたんかな? 短かったけどあんなに優しいネコと過ごせたのは、私の大切な思い出です。 09/22 20:54 pc
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