「慰めに来た猫」2年前の夏の話。その日塾の迎えの車でオトンがゆずを轢いてしまったと言った。ゆずは家で飼っていた猫で、猫とは思えないほど人なつっこい頭の良いネコだった。ゆずが死んだ??1時間半前に触ったばっかなのに??突然の死を理解するのは難しかった。家に着いたが、家に入る気にもならず、家の近くの石段に座ってぼーっと夜空の星を眺めてた。段々と死の意味が分かり、悲しくなって涙が流れた。星を眺めて泣いた。すると、視界の隅っこにフワフワした物が見えた。まるでゆずが近づいてくるときにゆらゆらさせてたシッポみたい…ハッとして地面を見ると何もいない。そうだよな…ゆずはいない。そう思って、空を見上げると、やっぱり視界の端っこにシッポが見えて。しかもゆっくり近づいてくる。全然恐怖は感じなかった。シッポは私の足元まで来て、いつもみたいに体をスリ寄せてきた。確かに温かかった。同時に、スッと悲しみが消えた。ゆずも消えた。涙はもう出なかった。ゆずは轢死する2日前からいつにも増して甘えてて、一瞬一瞬を大事に生きてる感じだった。今から思えば、死ぬのが分かってたんかな?短かったけどあんなに優しいネコと過ごせたのは、私の大切な思い出です。
「慰めに来た猫」
2年前の夏の話。
その日塾の迎えの車でオトンがゆずを轢いてしまったと言った。
ゆずは家で飼っていた猫で、猫とは思えないほど人なつっこい頭の良いネコだった。
ゆずが死んだ??
1時間半前に触ったばっかなのに??
突然の死を理解するのは難しかった。
家に着いたが、家に入る気にもならず、家の近くの石段に座ってぼーっと夜空の星を眺めてた。
段々と死の意味が分かり、悲しくなって涙が流れた。星を眺めて泣いた。
すると、視界の隅っこにフワフワした物が見えた。
まるでゆずが近づいてくるときにゆらゆらさせてたシッポみたい…
ハッとして地面を見ると何もいない。
そうだよな…ゆずはいない。
そう思って、空を見上げると、やっぱり視界の端っこにシッポが見えて。
しかもゆっくり近づいてくる。
全然恐怖は感じなかった。
シッポは私の足元まで来て、いつもみたいに体をスリ寄せてきた。
確かに温かかった。
同時に、スッと悲しみが消えた。
ゆずも消えた。
涙はもう出なかった。
ゆずは轢死する2日前からいつにも増して甘えてて、一瞬一瞬を大事に生きてる感じだった。
今から思えば、死ぬのが分かってたんかな?
短かったけどあんなに優しいネコと過ごせたのは、私の大切な思い出です。